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HIROSAKI_AIR企画

アーティスト・イン・レジデンス成果展示

酒井一樹個展

劇場のともだち

【会期】 2020/04/16(木)〜 5/31(日) 

【会場】 弘前の街

【主催】 HIROSAKI_AIR/Next Commons Lab弘前

【協力】 弘前大学地域創生本部/弘前市の皆さん

HIROSAKI_ARTIST_IN_RESIDENCE

Kazuki SAKAI Solo Exhibition

The Friends of Theaters

Thu, April 16 - Sun, May 31, 2020 

Location:Downtown Hirosaki

「劇場のともだち」は、街にいます。

この街のどこかで、静かに息をひそめています。

彼らを探しに街に出る必要はありません。

日々のふとした瞬間に、彼らの囁く声に気づくはずです。

HIROSAKI_AIRではこの冬、美術家・酒井一樹を招聘しアーティスト・イン・レジデンスのトライアルを行いました。2020年2月7日から3月3日までの約一ヶ月間、百石町にある弘前オランドを拠点に弘前に滞在し、リサーチ活動を実施。その成果として、酒井一樹個展「劇場のともだち」を開催します。 本展は、現在の社会的な状況を考慮した上で、展示内容を大幅にリニューアルして実施します。

創作活動に携わるものに何ができるのか。弘前という街を通して、考えてゆきます。

※本展覧会はすべてウェブサイトで鑑賞することができます。

Theater Hirosaki

2020年4月14日から、土手町・百石町を中心に商店の外壁や、街頭のショーウィンドーなど屋外のパブリックスペースに作品を順次掲出。日常生活の中で自然に展示を目にすることができるようにしています。

​​撮影協力:小田桐 啓太

Theater Map 

展示マップ

Artworks

展示作品

Research Archive  2.7.2020-3.3.2020

リサーチアーカイブ
プロフィール

Artist Profile

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酒井一樹/Kazuki Sakai

1988年東京都生まれ、東京在住。 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。2016〜2019年度東京藝術大学教育研究助手。 主に言葉とイメージを用い、物事の関係性とそこに立ち現れる状況をインスタレーション作品として表現している。近年の展示は「揺らぎの影–Swayed Shadows–」(CfSHE Gallery、2017)、「3331 Art Fair 2017」(アーツ千代田3331、2017)、「浜松市美術館版画大賞展」(静岡県浜松市美術館、2017)、「アイルランド–日本外交関係樹立60周年記念 歓喜への孤独な衝動 / W.B.イェイツ版画展」(東京藝術大学美術館陳列館、2017)、「Room 214」(Gallery Den5、2018)、「東京国際ミニプリント・トリエンナーレ 2018」(多摩美術大学美術館、2018)など。

アーティストコメント

『劇場のともだち』について

 今年2020年の2月から3月にかけての約一ヶ月間、僕は招聘アーティストとして弘前の街に滞在しました。本来であればこの展覧会はその滞在制作の成果展として、弘前オランドのギャラリースペースで開催される予定でした。
 本展の当初の作品プランは、弘前という地にゆかりを持つ作家の太宰治、寺山修司、またその二人に大きな影響を与えた劇作家アントン・チェーホフの残した言葉を引用し、僕が弘前で撮影した写真と組み合わせて再構築するというものでした。展覧会のタイトルにあるようにギャラリーの空間を「劇場」に見立て、そこに展開された作品の一部を弘前の街中へ持ち出す構想を練っていました。
 しかし新型コロナウィルスの影響が次第に青森にも拡がりはじめ、多くの美術館やギャラリーが展覧会の延期・中止を決定していく中、この『劇場のともだち』についても開催を断念せざるをえないか憂慮する日々が続きました。そうした状況を踏まえて主催のHIROSAKI_AIRと協議を重ねていくうちに、主会場として予定していたギャラリースペースは閉じたまま、展覧会そのものを街中へ持ち出すというアイディアが持ち上がりました。弘前の街全体を「劇場」として捉え直し、街角で作品の「上演」を行うというコンセプトです。これは奇しくも、寺山修司が唱えた「市街劇」のアイディアにも繋がります。
 改めて制作を進める上で、当初構想していた三人の作家の言葉を引用するというプランについては、放棄せざるをえませんでした。現在のような特殊な状況下において、他者によって語られた言葉をそのままの形で扱うのは、あまりに無邪気な発想に思えたのです。そうした逡巡の末に、僕は彼らという作家の視点を「演じる」ことについて考えました。彼らの眼を通して弘前の街を見つめ、そこで囁かれる声を想像すること。そのような振る舞いを演じることによって初めて、僕はこの作品のための言葉を見い出すことができました。
 このようにして生まれた作品たちが弘前という場所でどのような意味を持つのか、作り手である僕にもまだわかりません。街角にさりげなく現れるそれらの言葉とイメージを、心の片隅に留めていただけたなら、これに勝る喜びはありません。

 

2020年4月11日
酒井 一樹

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